
最近、海外のフリーランス求人やLinkedInを見ていると、こんな仕事をよく見かけるようになりました。
- AI Data Annotator
- AI Annotation
- Data Annotation
- AI Evaluator
- AI Quality Reviewer
- Speech Annotator
- Transcription
「AIの仕事なのは分かるけど、AIアノテーションって結局何をするの?」
私も最初はよく分かりませんでした。
しかも、日本人向けの海外リモート案件を探していると、日本語を使うAIアノテーションの案件が意外と出てきます。
AIアノテーションとは、AIが学習・評価できるように、人間が画像・文章・音声などのデータを整理、分類、文字起こし、チェックする仕事です。
しかも、すべての案件でプログラミングが必要なわけではありません。
日本語ネイティブであることや、文章を正確に読めること、音声を細かく聞き取れることなどが求められる案件もあります。
この記事では、実際に見つけた2つの海外AIアノテーション案件を例にしながら、
- AIアノテーションとは何なのか
- 具体的にどんな仕事をするのか
- 未経験でもできるのか
- 何ができれば応募できるのか
- どのくらい稼げる案件があるのか
- LinkedInでどうやって探すのか
- 応募するときに何を確認すればいいのか
を紹介します。
- AIアノテーションとは?
- たとえば、こんな仕事
- 実際に見つけたAIアノテーション案件① OneForma
- 実際に見つけたAIアノテーション案件② Perit AI
- Perit AIの「/hour」はどういう意味?
- この2つの案件から分かること
- AIアノテーションは未経験でもできる?
- AIアノテーションで何ができればいい?
- 「AIができる人」じゃなくてもいい
- 日本語ネイティブはAI関連の仕事で強みになる?
- AIアノテーションの仕事はどこで探せる?
- LinkedInでAIアノテーション案件を探す方法
- 応募するときに確認したいこと
- AIアノテーションは副業?本業?
- AIアノテーションは、これから海外で働きたい人にも面白い
- まとめ|AIアノテーションは「AIに関わるための入口」の一つ
- 今回紹介した求人
AIアノテーションとは?
まず、AIアノテーションを簡単に説明すると、
「AIがデータを理解したり、AIの性能を評価したりするために、人間がデータに情報を付ける仕事」
です。
AIは、人間のように最初から「これは犬」「これは日本語」「この文章は正しい」と理解できるわけではありません。
大量のデータを使って学習したり、人間が用意した正解データと比較したりすることで、AIの性能を高めていきます。
そのために必要なのが、人間によるデータの整理・分類・確認・評価です。
たとえば、こんな仕事
画像のアノテーション
画像の中にある「人」「車」「信号」などを指定して、AIが認識できるようにラベルを付けます。
たとえば、
「この部分が車」
「ここに歩行者がいる」
と人間がデータに情報を付けていくイメージです。
文章のアノテーション
文章の場合は、
- ポジティブ・ネガティブの分類
- 質問・回答などの分類
- 文章のカテゴリー分け
- AIが作った回答の評価
- 文章が自然かどうかの確認
などがあります。
音声のアノテーション
今回私が見つけた案件では、音声データを扱うものがありました。
ポッドキャストなどの音声を聞いて、
- 文字起こし
- 話者の識別
- タイムスタンプ
- 音声品質の確認
- 聞き取りにくい部分のチェック
- AIが作った文字起こしの修正
などを行います。
つまり、「AIアノテーション」といっても、画像・文章・音声など、仕事内容はかなり幅があります。
実際に見つけたAIアノテーション案件① OneForma
まず紹介したいのが、OneFormaの案件です。
案件名は、
Multilingual Podcast Transcription And Speech Annotator
というもの。
複数の言語・地域を対象にした、ポッドキャストの文字起こし・音声アノテーション案件です。
どんな仕事?
30~60分、またはそれ以上のポッドキャスト音声を聞いて、
- 音声を文字起こしする
- 話者を識別する
- 話者ラベルを付ける
- タイムスタンプを付ける
- 音声品質を確認する
- 聞き取りにくい部分をチェックする
- アクセントなどを確認する
- 言語が正しいか確認する
- AIなどが作成した事前アノテーションを修正する
といった作業をします。
つまり、ポッドキャストを聞いて、それをAIが扱いやすいデータに整えていく仕事です。
働き方は?
Remoteで、タスクは週単位でリリースされる形式。
案件の説明では、first-come, first-served(先着順)でタスクが割り当てられ、仕事量は地域やバッチによって変わるとされています。
そのため、一般的な会社員のように「毎月決まった仕事量・給与」が保証される仕事とは少し違います。
必要なもの
- 対象言語についてネイティブまたはそれに近いレベル
- 聞き取り能力
- 細かい作業への注意力
- 文字起こし・音声アノテーション経験
- 安定したインターネット環境
という条件が掲載されています。
ここは重要です。
このOneForma案件では、過去の文字起こし・音声アノテーション経験がRequirementsに含まれています。
そのため、「AIアノテーションなら誰でも未経験で応募できる」というわけではありません。
実際に見つけたAIアノテーション案件② Perit AI
もう一つ見つけたのが、LinkedInに掲載されていたこちらの案件です。
Japanese Freelance AI Data Annotator (Transcription)
企業:Perit AI(YC F26)
勤務地:日本・リモート
こちらも日本語の音声を文字起こしし、AI用のデータとして整える仕事です。
仕事内容
掲載内容によると、音声を聞きながら、
- 音声と文字起こしが一致しているか確認
- 抜けている言葉や余分な言葉を修正
- 文字起こしの間違いを修正
- 決められたアノテーションルールに沿ってタグ付け
- 聞き取りにくい音声などを報告
といった作業を行います。
求人には、仕事について「detail-heavy and quiet」、つまり細かい作業が多く、静かな環境で集中して行う仕事だと説明されています。
「careful, focused tasks」や「good ear for language」が向いているとも書かれています。
必要なもの
掲載内容では、
- ノートパソコンまたはデスクトップPC
- ヘッドフォン
- 静かな作業環境
- 強い日本語の文章力・読解力
- 細かいガイドラインを読んで理解する力
- 言葉の微妙な違いを見つける力
などが挙げられています。
つまり、「AIの専門家だからできる仕事」というより、日本語を正確に扱い、細かいルールに沿って作業できる人が求められているタイプの案件です。
Perit AIの「/hour」はどういう意味?
この求人で目を引くのが、
$45 / hour of audio transcribed (output)
という報酬です。
ただし、ここは「1時間働けば必ず$45もらえる」という意味だと決めつけないように注意が必要です。
掲載文では「hour of audio transcribed (output)」と書かれています。
つまり、基準になっているのは実際に作業した時間ではなく、文字起こしした音声のアウトプット時間です。
音声1時間を処理するのに、実際にはそれ以上の作業時間がかかる可能性があります。
「$45/hour」と書いてあるから、時給$45のアルバイト」と考えるのは危険です。
応募する場合は、実際の作業時間に対してどの程度の報酬になるのか、契約条件を確認しましょう。
この2つの案件から分かること
今回見つけた2案件を比べると、共通しているのは「AIそのものを開発する仕事ではない」ということです。
| OneForma | Perit AI | |
|---|---|---|
| 仕事 | ポッドキャストの文字起こし・音声アノテーション | 日本語音声の文字起こし・AIデータアノテーション |
| 働き方 | Remote・柔軟 | Remote・フリーランス |
| 主な能力 | 聞き取り・文字起こし・正確さ | 日本語力・聞き取り・細かいチェック |
| PC | 必要 | 必要 |
共通しているのは、
日本語を正確に扱う
音声を注意深く聞く
ルールに沿って判断する
AIが使えるデータに整える
という部分です。
AIアノテーションは未経験でもできる?
結論から言うと、未経験から応募できる案件はあります。
ただし、今回の2案件を見ても分かるように、すべての案件が未経験OKではありません。
特に専門性の高い案件や、一定の品質が求められる案件では、
- 文字起こし経験
- アノテーション経験
- 翻訳経験
- 専門知識
- 特定言語の高い運用能力
などが求められることがあります。
一方で、案件によっては特別なAI知識よりも、「日本語ができる」「文章を正確に読める」「細かい作業ができる」ことが重視される場合があります。
だから、
「AIアノテーション未経験だから無理」ではなく、「自分ができる種類の案件を探す」
という考え方がよいと思います。
AIアノテーションで何ができればいい?
① 日本語を正確に扱える
日本語案件では、これはかなり重要です。
単に日本語を話せるだけではなく、
- 文章の意味を理解する
- 誤字や脱字に気づく
- 不自然な表現を見つける
- 言葉の微妙な違いを判断する
- 文脈を理解する
といった能力が求められます。
② 英語の指示を読める
海外案件では、ガイドラインや仕事の説明が英語で書かれていることがあります。
そのため、英会話がペラペラである必要はなくても、英語の指示を読んで理解できる力があると有利です。
③ 細かい作業ができる
AIアノテーションは、華やかな仕事ではありません。
同じような作業を大量に繰り返すこともあります。
「まあ、だいたい合ってるからいいか」ではなく、決められたルール通りに一つひとつ確認する必要があります。
細かい違いを見つけるのが苦にならない人には向いているでしょう。
④ PCの基本操作ができる
基本的にはPCで作業します。
今回のPerit AIの案件でも、スマートフォンやタブレットではなく、laptop or desktop computerが必要とされています。
ブラウザやファイル、スプレッドシートなどの基本操作ができると取り組みやすいでしょう。
⑤ AIの基本を知っておく
AIアノテーションをするために、必ずしもAIエンジニアレベルの知識が必要なわけではありません。
ただ、
- 生成AIとは何か
- AIが学習するとはどういうことか
- AIの回答には間違いがある
- AIの出力を人間が評価することがある
くらいは知っておくと、仕事内容を理解しやすくなります。
「AIができる人」じゃなくてもいい
ここは、この仕事を知っておいて面白いと思ったところです。
AI関連の仕事というと、
「プログラミングが必要なのでは?」
「数学ができないと無理なのでは?」
と思ってしまいますよね。
でもAIアノテーションは、必ずしもそうではありません。
AIエンジニア
→ AIモデルやシステムを開発する
AIアノテーター
→ AIが学習・評価するためのデータを作る
AI Quality Reviewer
→ AIが出した結果を人間が確認・評価する
Language Reviewer
→ AIの文章や翻訳などを言語面から確認する
というように、AIに関わる仕事にもいろいろあります。
日本語ネイティブはAI関連の仕事で強みになる?
案件を調べてみて、強みになると感じました。
AIは英語だけを使うわけではありません。
日本語を理解したり、日本語で自然な文章を生成したりするAIを作るためには、日本語が自然かどうかを判断できる人間が必要です。
たとえば、
- 日本語として自然か
- 敬語が適切か
- 文脈に合っているか
- 日本人が実際に使う表現か
- 翻訳が不自然ではないか
などは、単純に辞書を引くだけでは判断できません。
「日本語ネイティブ」ということ自体が、AIの品質を確認するためのスキルになる仕事がある。
AIアノテーションの仕事はどこで探せる?
探す場所はいくつかあります。
海外企業の求人を探すなら、まずチェックしたいのがLinkedInです。
今回紹介したPerit AIの案件もLinkedInに掲載されていました。
求人を検索するときは、日本語だけではなく英語の職種名で検索するのがおすすめです。
AI Data Annotator
Data Annotator
AI Annotation
AI Evaluator
AI Quality Reviewer
AI Language Reviewer
Speech Annotator
Transcription
Localization Reviewer
Search Quality Rater
さらに日本語案件を探すなら、
Japanese + AI
Japanese + Annotation
Japanese + AI Evaluator
Japanese + Language Reviewer
Japanese + Transcription
などの組み合わせも使えます。
OneForma
今回紹介したOneFormaのように、AI関連のプロジェクトを募集しているプラットフォームもあります。
OneFormaでは、
- Data Collection
- Annotation
- Judging
- Transcription
- Translation
などのカテゴリーがあります。
今回のポッドキャスト文字起こし案件も、このようなAI関連プロジェクトの一つです。
LinkedInでAIアノテーション案件を探す方法
LinkedInを開いたら、検索欄にまず、
AI Data Annotator
などと入力してみます。
そのうえで、勤務地を確認します。
特に海外リモート案件の場合は、「Remote」と書いてあれば世界中どこからでも働ける、とは限りません。
「Remote – Japan」のように対象国が指定されていることがあります。
Remote=世界中どこからでもOK、ではない。
自分が現在住んでいる国から応募できる案件なのか、必ず確認しましょう。
応募するときに確認したいこと
AIアノテーションは、一般的な正社員求人とは違う条件の案件も多いので、応募前に以下を確認しておきましょう。
- 雇用契約なのかフリーランスなのか
- 報酬の計算方法
- 最低稼働時間があるか
- 仕事量が保証されているか
- 契約期間
- 対象国
- 対象言語
- 経験の必要性
- 支払い方法・支払い頻度
特に「時給」と書いてある場合、その時給が「実際の作業時間」に対してなのか、「完成したデータ量」に対してなのかは確認したいところです。
AIアノテーションは副業?本業?
案件によります。
今回のOneFormaのように、週ごとにタスクがリリースされ、仕事量が変動するタイプもあります。
一方、20~30時間/週など、ある程度まとまった稼働を想定したAI関連案件もあります。
そのため、
- 副業として取り組む
- フリーランスとして複数案件を組み合わせる
- 海外に住みながらリモート案件を受ける
- AI関連の実務経験を作る
など、使い方はさまざまです。
ただし、案件型の仕事は毎月固定給がもらえる会社員とは違い、案件量や契約期間が安定しない可能性があります。
「海外で働ける仕事」と「安定した本業」は分けて考えたほうがいいでしょう。
AIアノテーションは、これから海外で働きたい人にも面白い
海外で働くというと、これまでは、
「現地企業に就職する」
「日系企業の海外支社に入る」
という働き方を思い浮かべる人が多かったと思います。
でも、リモートワークが広がったことで、
海外に住みながら、海外企業のプロジェクトにオンラインで参加する
という働き方も選択肢になっています。
特にAI関連では、世界中の言語を扱う必要があります。
だからこそ、
日本語+AI
日本語+データ
日本語+品質チェック
日本語+翻訳・ローカライズ
という組み合わせで仕事を探すことができます。
まとめ|AIアノテーションは「AIに関わるための入口」の一つ
AIアノテーションとは、
AIが学習・評価するためのデータを、人間が整理・分類・文字起こし・確認する仕事
です。
今回紹介したように、
- ポッドキャストの音声を文字起こしする
- 話者を分類する
- タイムスタンプを付ける
- AIが作った文字起こしを修正する
- 日本語の文章をチェックする
- AIの出力を評価する
など、仕事内容はさまざまです。
そして、必ずしもプログラミングができなければならない仕事ではありません。
日本語力、英語の読解力、PCスキル、細かい作業を正確に行う力などを活かせる案件があります。
一方で、案件によっては経験が必要だったり、仕事量が安定しなかったりするため、「誰でも簡単に高収入」という仕事ではありません。
まずはLinkedInやOneFormaなどで、実際の案件を見てみるのがおすすめです。
「AIの専門家じゃないからAIの仕事はできない」
ではなく、
「自分の日本語力やこれまでの経験を、AI関連の仕事にどう組み合わせられる?」
と考えてみる。
これから海外で働きたい人にとって、そんな探し方もありなのかもしれません。
私自身も最近、海外求人を調べていて「こんな仕事があるんだ」と思ったのが、AIアノテーションでした。
知らない仕事は、そもそも選択肢に入れることができません。
だからこそ、まずは求人を眺めてみる。
そこから「自分にもできそう」「このスキルを勉強してみたい」と思える仕事を探してみるのも、これからの働き方を考える一つの方法だと思います。
今回紹介した求人
OneForma|Multilingual Podcast Transcription And Speech Annotator
ポッドキャストの文字起こし、話者ラベル、タイムスタンプ、音声品質チェックなどを行うリモート案件。
LinkedIn|Perit AI(YC F26) Japanese Freelance AI Data Annotator (Transcription)
日本語音声の文字起こし・チェック・アノテーションを行うフリーランス案件。
※求人内容・報酬・応募条件は変更される可能性があります。応募する際は、必ず最新の求人ページと契約条件を確認してください。

