
現地採用の仕事をやめたくなっている
今まさに感じている、「辞めてもいいかな」という気持ち。
フィリピンとくにアジアのあるあるかもしれませんが、環境が全く日本とは異なります。
日本と現地採用で採用されている人たちの質もそうですし、日本本社からの扱われ方もそうですし、そもそもの環境・衛生面、文化、福利厚生の違いもそうですが、日に日にストレスが溜まってきました。
ただ、「もう辞めたい」と思うことと、実際に退職することはまったく別物ですよね。
リスクを感じて大手外資系の内定を蹴ったにもかかわらず、ここで辞めてしまったら、せっかく大切に考えていたビザのことをまた軽視することになります。
今回は、フィリピンの現地採用をやめる場合の流れや影響、負担についてまとめています。

- フィリピン現地採用を辞めるときの全体像
- 1.まず最初に雇用契約書を確認する
- 2.次の会社が決まっているなら、退職日を先に決めすぎない
- 3.上司へ退職意思を伝える
- 4.Resignation Letterを提出する
- 5.有給休暇をどうするか確認する
- 6.引き継ぎをする
- 7.会社へ返却するものを整理する
- 8.一番重要:AEPと就労ビザの処理
- 9.「ダウングレード」って何?
- 10.パスポートを預ける期間が発生することもある
- 11.次の会社へ転職する場合は、ビザ処理の空白期間に注意
- 12.保険はいつ切れる?
- 13.Final Payはいつ受け取れる?
- 14.退職時にもらっておきたい書類
- 15.会社のClearanceを終わらせないとFinal Payが止まることもある
- 私なら退職前にHRへこの10個を聞く
- フィリピン現地採用は「辞めてから考える」より「辞める前に出口を作る」
- まとめ|フィリピン現地採用の退職は「仕事+ビザ+お金」をセットで考える
フィリピン現地採用を辞めるときの全体像
日本での退職なら、退職届を出して、引き継ぎをして、最終出社日を迎える。
大きく言えばこの流れで済みます。
でもフィリピンで外国人として現地採用されている場合は、仕事だけでなく、就労ビザ・ACR I-Card・AEP・保険・最終給与・税務書類なども動きます。
つまり、
会社を辞める=勤務先との雇用契約だけが終わる
ではありません。
「フィリピンで働くために会社が支えていた仕組み」も一緒に整理する必要があります。
外国人現地採用の場合、退職によって就労資格にも影響が出る可能性があります。
次の会社へ転職する予定がある人ほど、退職日・ビザ処理・次の入社日をバラバラに決めないことが大切です。
辞めるときの流れ
会社によって細かい順番は違いますが、大きく分けると次の流れになります。
- 雇用契約書・就業規則を確認する
- 退職日を決める
- 上司・HRへ退職意思を伝える
- 退職届・Resignation Letterを提出する
- 引き継ぎをする
- 有給休暇の扱いを確認する
- 会社支給品を返却する
- AEP・就労ビザ・ACR I-Card関連の処理を進める
- 必要ならビザのダウングレード・次の会社のビザ申請へ進む
- Final Pay・税務書類・在職証明などを受け取る
ここから、一つずつ詳しく見ていきます。
1.まず最初に雇用契約書を確認する
辞めると決めても、最初に上司へ言いに行くのはおすすめしません。
まず確認したいのが、自分の雇用契約書とEmployee Handbookです。
最低限、次の項目を確認します。
- 退職時のNotice Period
- 退職届の提出方法
- 未消化有給の扱い
- ボーナス・13th Month Payの扱い
- 会社貸与品の返却ルール
- 退職後の保険終了日
- ビザ関連費用を誰が負担するか
- 競業避止・守秘義務の有無
特に重要なのがNotice Periodです。
例えば、
30 days written notice
と契約に書かれているなら、基本的にはその期間を前提に退職日を組みます。
「今日辞めます、明日から行きません」では、ビザ・給与・会社手続きがぐちゃぐちゃになりやすいです。
2.次の会社が決まっているなら、退職日を先に決めすぎない
これはフィリピン転職でかなり重要です。
次の会社へ転職する場合、
- 現職の最終勤務日
- 現職側のビザ処理完了日
- 次の会社のビザ申請開始日
- 次の会社の入社日
をできるだけ連動させる必要があります。
参考記事でも、現職側の9(g)ビザやAEP関連処理が終わらないと、次の会社側のビザ申請へ進みにくいケースがあるとされています。
そのため、次の勤務先が決まっているなら、
「○月1日入社で大丈夫です」
と先に確定するのではなく、
現職HRと次の会社HRの両方に、ビザ処理の想定日数を確認してから入社日を決める方が安全です。
3.上司へ退職意思を伝える
契約条件を確認したら、上司へ退職意思を伝えます。
基本は、
- 口頭または1on1で伝える
- その後、Resignation Letterをメール・書面で提出する
という流れが分かりやすいです。
退職理由は、必要以上に詳しく話す必要はありません。
例えば、
I have decided to resign from my position due to personal and career considerations.
くらいでも十分です。
次の会社名や給与まで話す義務があるわけではありません。
4.Resignation Letterを提出する
正式に退職する場合は、英文の退職届を求められることがあります。
最低限、
- 退職する意思
- ポジション名
- 提出日
- 最終勤務予定日
- 引き継ぎへの協力
を入れておけば十分です。
Dear [Manager’s Name],
Please accept this letter as formal notice of my resignation from my position as [Position Name].
My intended last working day will be [Date], subject to the required notice period.
I appreciate the opportunities and experience I have gained during my time with the company. I will do my best to ensure a smooth handover of my responsibilities before my departure.
Sincerely,
[Your Name]
5.有給休暇をどうするか確認する
退職時に意外と重要なのが、残っている有給休暇です。
会社によって、
- 最終勤務日前に消化できる
- 現金化される
- 一定日数までのみ現金化される
- 退職時には消滅する
など扱いが違います。
だから、退職届を出す前後で、
How will my unused leave credits be handled upon resignation?
とHRへ確認しておくと安心です。
「退職日」と「最終出社日」が別になることもあるので、ここは混同しない方がいいです。
6.引き継ぎをする
退職が決まったら、担当業務を整理します。
最低限、
- 現在進行中の案件
- 日次・週次・月次業務
- 取引先・他部署との連携先
- 使用しているツール
- よく起きるトラブル
- マニュアル・FAQの保管場所
をまとめておくとスムーズです。
海外転職では、辞め方も意外と大事です。
同じ業界や日系コミュニティでまた会う可能性もあるので、最後だけ雑に終わらせない方が自分のためになります。
7.会社へ返却するものを整理する
参考記事では、退職時に以下のものを会社へ返却した例が紹介されています。
- ACR I-Card関連
- AEP関連書類
- 社員証
- 会社加入の医療保険カード
- 会社携帯
- PC
- セキュリティトークン
- 会社の鍵・アクセスカード
- その他の貸与品
ただし、現在の運用は会社・ビザ種別によって異なる可能性があるため、「自分で返却するのか、HRが手続きするのか」まで確認した方がいいです。
8.一番重要:AEPと就労ビザの処理
外国人現地採用で最も注意したいのがここです。
フィリピンで外国人として働いている場合、雇用に紐づいて、
- AEP(Alien Employment Permit)
- 就労ビザ
- ACR I-Card
などを取得しているケースがあります。
会社を辞めれば、その会社で働く前提がなくなるため、関連する資格・登録についても処理が必要になります。
参考記事では、退職に伴って現職企業側がAEPや9(g)ビザ関連のキャンセル・ダウングレード手続きを進めた例が紹介されています。
ここで重要なのは、
「会社を辞めた瞬間に、自動的にすべて処理される」と思わないこと。
HRへ必ず、
- 誰が申請するのか
- いつ申請するのか
- どの書類が必要なのか
- 処理中にパスポートを預ける必要があるか
- 処理完了までどのくらいかかる想定か
- 処理完了後の滞在資格はどうなるか
を確認します。
9.「ダウングレード」って何?
参考記事では、9(g)就労ビザを終了して一時的に非就労の滞在資格へ戻す処理を「ダウングレード」と説明しています。
イメージとしては、
「この会社の外国人従業員として働く人」
↓
「その就労資格を終了した外国人」
へ戻す処理です。
そして次の会社へ転職する場合は、その後、新しい雇用主側で就労資格を申請する流れになります。
ビザ種別、AEP、ACR I-Card、ダウングレード後の滞在可能期間、必要書類は制度変更の影響を受けます。
10.パスポートを預ける期間が発生することもある
ビザ関連手続きでは、会社側からパスポートの提出を求められることがあります。
その場合、処理中はパスポートを自由に使えない可能性があります。
つまり、
退職直後に旅行へ行こう
と思っていても、タイミングによっては難しくなることがあります。
退職前後に海外旅行や日本への一時帰国を考えている人は、
「いつからいつまでパスポートを預ける可能性があるか」
を先に確認した方がいいです。
11.次の会社へ転職する場合は、ビザ処理の空白期間に注意
フィリピン国内転職の場合、ここが一番面倒になりやすいポイントです。
基本的には、
現職側の就労資格を整理
↓
必要なダウングレード等の処理
↓
次の勤務先側でAEP・就労資格の申請
という流れになるケースがあります。
だから、
金曜日に今の会社を辞めて、月曜日から次の会社で普通に勤務
という日本国内転職のような感覚で考えない方が安全です。
次の会社のHRへ、
- 現職のビザがいつ終了するか
- 新しいAEPをいつ申請できるか
- 就業開始可能日はいつか
- 待機期間中に給与が出るか
まで確認した方がいいです。
12.保険はいつ切れる?
会社のHMOや医療保険に加入している場合、退職とともに利用資格が終了する可能性があります。
ここも会社によって、
- 最終出社日まで
- 正式退職日まで
- 退職月末まで
など違います。
次の会社へ入るまで期間が空くなら、保険の空白期間が生まれないか確認しておきたいところです。
13.Final Payはいつ受け取れる?
最後の給与も、通常の給料日にいつも通り全部振り込まれるとは限りません。
退職後に、
- 未払い給与
- 未消化有給の現金化分
- 13th Month Payの按分
- 各種控除
- 会社への未精算金
などを精算してFinal Payとして支払われるケースがあります。
退職時にはHRへ、
When can I expect to receive my final pay?
と聞いておくと安心です。
14.退職時にもらっておきたい書類
会社を離れる前に、次の書類も確認しておくと後が楽です。
- Certificate of Employment(在職証明)
- Final Payの明細
- 税務関連書類
- Clearance完了の記録
- 退職受理メール・書類
- ビザ処理完了を確認できる書類
- AEP関連の処理記録
特にCertificate of Employmentは、次の転職や将来の経歴確認で使う可能性があります。
15.会社のClearanceを終わらせないとFinal Payが止まることもある
フィリピン企業では、退職時にClearance Processを求められることがあります。
例えば、
- PCを返却した
- 社員証を返却した
- 経費精算が終わった
- 引き継ぎが終わった
- ITアカウントを整理した
- HR関連書類を提出した
などを各部署が確認していきます。
これが完了して初めてFinal Payの処理へ進む会社もあります。
最終出社日に、
「じゃあ、お疲れさまでした!」
で全部終わるとは思わない方がいいです。
私なら退職前にHRへこの10個を聞く
実務的には、これを全部聞いてしまうのが早いです。
- My required notice period is how many days?
- What will be my official last working day?
- Can I use my remaining leave before resignation?
- Will unused leave be converted to cash?
- When will my HMO coverage end?
- What company assets do I need to return?
- What is the process for cancelling or downgrading my work visa?
- Do you need to hold my passport during the process?
- When will I receive my final pay?
- When can I receive my Certificate of Employment and tax documents?
フィリピン現地採用は「辞めてから考える」より「辞める前に出口を作る」
ここまで見ると分かる通り、フィリピン現地採用は、辞めるだけなら簡単でも、その後にやることが結構あります。
だから私は、よほど緊急性がない限り、
辞めてから次を探す
より、
働きながら次を探して、ビザと入社日の見通しまで立ってから辞める
方が安心だと思っています。
特に外国人として働いている以上、転職には「仕事内容」だけでなく滞在資格という実務があります。
まとめ|フィリピン現地採用の退職は「仕事+ビザ+お金」をセットで考える
フィリピン現地採用を辞めるときは、単に退職届を出せば終わりではありません。
- 雇用契約
- 有給
- 最終給与
- 会社貸与品
- 医療保険
- AEP
- 就労ビザ
- ACR I-Card
- 次の会社の就労手続き
だからこそ、辞めたいと思った時点でいきなり退職届を出すのではなく、まず自分の契約とビザの状態を確認する。
次の会社があるなら、次の会社のHRにも相談する。
そして、
「最終勤務日」「ビザ処理」「次の入社日」の3つをセットで考える。
これがかなり大事です。
フィリピンの現地採用は、会社を辞めること自体より、辞めたあとの滞在資格と次の仕事をどうつなぐかの方が実務的には重要です。
私は「もう辞めたい」と思ったら、感情だけで退職日を決める前に、まずHRへ必要な手続きを全部確認してから動くのが一番安全だと思っています。

もし辞めずに済むようであれば、次の国への異動までは働き続けるのが私にとってはよさそうだと整理することができました。退職を考えている現地採用の方のためになれば幸いです。



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