「せっかくフィリピンで現地採用として働き始めたけど、もう辞めたい」
「給与は日本より低いし、仕事も思っていたほど面白くない。このままここにいていいのかな…」
フィリピンで現地採用として働いていると、一度はこんなことを考える人もいるのではないでしょうか。
私自身、フィリピンで現地採用として働いていて、「この会社でこのまま数年過ごして、本当に自分のためになるのかな?」と考えることがあります。
海外で働いているというと、日本からは華やかに見えるかもしれません。
でも実際には、給与、仕事内容、勤務時間、人間関係、会社のレベル、将来のキャリアなど、現地採用だからこその悩みもあります。
だからといって、勢いだけで辞めればいいとも思いません。
この記事では、フィリピン現地採用を辞めたいと思ったときに、「今すぐ辞める」「もう少し残る」「働きながら次を探す」のどれを選ぶべきなのか、実際に現地採用として働いている私なりに整理してみます。
フィリピン現地採用を辞めたいと思うのは珍しくない
まず、「辞めたいと思っている自分は根性がないのかな」と考える必要はないと思います。
フィリピンの現地採用には、日本で働く場合とは違うメリットがあります。
- 海外で働く経験ができる
- 英語を使う環境に入れる
- 日本より転職のハードルが低い求人もある
- 職種によっては未経験から挑戦できる
- 海外生活そのものを経験できる
一方で、実際に入社してみないと分からないこともかなりあります。
特に私が感じるのは、「海外で働くこと」と「良い会社で働くこと」はまったく別だということです。
フィリピンにある会社だからといって、必ずグローバルでレベルの高い環境とは限りません。
むしろ入社してから、
あれ? 私が想像していた「海外で働く」って、これだったっけ?
となることもあります。
私がフィリピン現地採用を「辞めたい」と思う理由
辞めたい理由は人それぞれですが、現地採用の場合は大きく分けると次のようなものがあると思います。
1.給与が低い
これはかなり現実的な問題です。
フィリピンの日本人向け現地採用は、日本人というだけで現地の平均給与より高い待遇になる求人もあります。
ただし、日本で正社員として働く場合と比較すると、
- 基本給
- 賞与
- 退職金
- 福利厚生
- 社会保障
などを含めて、「思ったほど条件が良くない」と感じることもあります。
さらに数年間働いても給与がほとんど上がらないのであれば、
この会社に3年いる意味ってあるのかな?
と考えてしまいます。
特に30代以降は、単純に今の給与だけではなく、「この仕事を続けた先で給与が上がるのか」まで見た方がいいと思っています。
2.仕事が暇すぎる・成長している感じがしない
忙しすぎる会社も大変ですが、私は暇すぎる会社もしんどいと思います。
問い合わせに対応する。
決められた処理をする。
同じ業務を繰り返す。
仕事自体には慣れていきます。
でも半年、1年と経ったときに、
去年の私と、できることがほとんど変わっていない。
となると不安になります。
特にカスタマーサポートなどのオペレーション業務では、仕事に慣れるほど日々の業務は楽になります。
その一方で、意識して次のスキルを身につけないと、「経験年数だけ増えて、仕事内容は変わっていない」という状態にもなりやすいです。
3.会社や周囲のレベルに違和感がある
これも入社してみないと分かりません。
仕事の進め方が非効率だったり、基本的なことが仕組み化されていなかったり、周囲の仕事への温度感が自分と合わなかったり。
最初は、
海外だから文化が違うのかな。
と思って受け入れようとします。
でも、単純に「この会社の仕事の進め方が自分には合わない」ということもあります。
ここは「フィリピンだから」と「会社だから」を分けて考えた方がいいと思います。
フィリピン生活そのものは好きなのに仕事だけが嫌なら、帰国する必要はありません。
同じフィリピンでも会社を変えれば、働き方や給与、仕事内容、人間関係は大きく変わる可能性があります。
4.勤務時間・休日・出社条件が合わない
仕事内容以上に、毎日の幸福度を左右するのが働き方です。
例えば、
- 土日休みではない
- シフト勤務
- 祝日が少ない
- 完全出社
- 通勤時間が長い
- 希望していたハイブリッド勤務ではない
など。
一つひとつを見ると「我慢できる」と思います。
でも、それが毎週、毎月、毎年続くとかなり大きいです。
特に海外生活では、仕事だけでなく「せっかく海外にいるのに、その生活を楽しめているか」も私は大切だと思います。
5.会社のブランドやキャリアにつながる実感がない
これは少し言いにくいことですが、転職市場では会社名がまったく関係ないとは思いません。
もちろん、有名企業にいるだけで仕事ができるわけではありません。
逆に小さな会社でも、大きな裁量を持って成果を出している人もいます。
ただ、自分の仕事内容にも会社にも市場価値を感じられない場合、
あと2年ここにいたとき、履歴書に何が増えるんだろう?
という不安が出てきます。
私はこの質問をかなり重要だと思っています。
ただし「辞めたい=今すぐ辞める」ではない
ここで私が一番言いたいのはこれです。
会社を辞めたいと思うことと、今すぐ会社を辞めることは別です。
特に海外の現地採用では、日本以上に慎重になった方がいいと思います。
なぜなら、仕事だけではなく、
- 就労ビザ
- 滞在資格
- 健康保険
- 住居
- 次の勤務先
- 帰国する場合の費用
などが絡むことがあるからです。
会社によって条件も異なるので、退職を決める前に自分の契約書やビザの条件を確認することは必須です。
私なら「辞めたい理由」を3種類に分ける
感情だけで決めないために、私は辞めたい理由を3種類に分けて考えるのがおすすめです。
| 種類 | 例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 今すぐ離れた方がいい問題 | 心身への深刻な負担、ハラスメント、安全面、給与トラブルなど | 勤続年数より自分を優先 |
| 転職で解決する問題 | 給与、仕事内容、休日、出社、会社規模など | 働きながら次を探す |
| 自分で利用できる問題 | 暇、仕事が簡単、残業が少ないなど | 次のキャリア準備期間にする |
ここを分けるだけでも、かなり冷静になります。
「仕事が暇」は辞める理由にもなるけど、使い方次第では武器になる
私はここをかなり割り切って考えています。
仕事が暇。
仕事が簡単。
定時で帰れる。
これはキャリア的には不安要素ですが、見方を変えれば、次へ行く準備をする余力が残っているということでもあります。
例えば、今の仕事をきちんとこなしながら、プライベートでは、
- 英語
- Excel
- ピボットテーブル
- データ分析
- SQL
- Power BIなどのBIツール
- AIを使った業務効率化
などを勉強できます。
そして重要なのは、勉強だけで終わらせないこと。
今の業務の中で、
これ、Excelでもっと効率化できないかな?
と考えて実際に改善してみる。
すると転職面接で、
カスタマーサポートを担当していました。
だけではなく、
日々の業務を分析し、○○のプロセスを改善しました。
と話せるようになります。
同じ1年でも、ただ在籍する1年と「次の職種へ行くために使った1年」は全然違います。
現地採用から次に狙える仕事は意外とある
「フィリピン現地採用を辞めたら、次に何ができるの?」という不安もあると思います。
でも、今の仕事をゴールにする必要はありません。
例えばカスタマーサポート経験なら、
- Customer Success
- CS Operations
- Sales Operations
- Business Operations
- Quality Analyst
- Training / Learning & Development
- Team Lead
- Project Coordinator
- 外資系BPO・IT企業の日本語ポジション
大事なのは、
「今の会社から逃げるための転職」だけにしないこと。
次の会社へ行ったとき、今より何が増えるのかを考えます。
私は「会社名」より次の4つを見るようになった
実際に転職活動をすると、つい有名企業に目が行きます。
もちろんブランドのある会社で働けることにはメリットがあります。
ただ、会社名だけで決めると、また「会社選びをミスった」となる可能性があります。
今の私なら、次は少なくともこの4つを見ます。
- 仕事内容:2年後に何ができるようになるか
- 給与:今だけでなく昇給余地があるか
- 働き方:休日・勤務時間・リモート可否
- 次の転職につながるか:そこで得られる経験に市場価値があるか
特に最後は重要です。
私は今、
「この会社に入りたいか?」
だけではなく、
「この会社を辞めるとき、私は今より強くなっているか?」
まで考えた方がいいと思っています。
転職活動をしてみると「今の会社の価値」も分かる
そして、辞めるか迷っている人におすすめなのが、会社を辞める前に一度転職活動をしてみることです。
応募したからといって、転職しなければいけないわけではありません。
求人を見る。
英文レジュメを作る。
何社か応募する。
面接を受ける。
これだけでも、自分が転職市場でどう評価されるのかが見えてきます。
そして意外と、
今の会社、給与は低いけど勤務時間はかなりいいんだな。
と気づくかもしれません。
逆に、
同じ経験でも、別の会社ならもっと良い条件で働けるんだ。
と分かることもあります。
つまり転職活動は、転職するためだけではなく、「今の会社に残る価値を測る市場調査」にもなります。
「3年は続けるべき」は海外現地採用でも正しい?
日本ではよく「とりあえず3年」と言われます。
でも私は、必ずしも3年という数字にこだわる必要はないと思っています。
大切なのは勤続年数そのものではなく、
- その期間に何を担当したか
- 何ができるようになったか
- どんな成果を出したか
- 次の仕事につながる経験になったか
です。
ただし、何も決めずに半年程度で会社を転々とするのも、それはそれでキャリアを説明しにくくなります。
だから私なら、
今すぐ辞めなければならない事情がないなら、働きながらスキルと実績を作り、条件のいい会社が見つかったところで移る。
私はこの考え方の方が、海外現地採用には合っていると思います。
フィリピン現地採用を辞める前に確認したい7項目
本当に退職する前に、私は最低限この7つを確認します。
- □ 辞めたい原因は「フィリピン」ではなく「会社」ではないか
- □ 今の会社でまだ取れる経験はないか
- □ 次にやりたい仕事は決まっているか
- □ 次の会社で改善したい条件を3つ決めたか
- □ 英文レジュメを更新したか
- □ 退職後のビザ・保険・滞在資格を確認したか
- □ できれば次の仕事を決めてから退職できないか
7つ全部に答えてからでも、辞めるのは遅くありません。
それでも辞めたいなら、辞めてもいいと思う
ここまで「今の会社を利用する」という話をしてきました。
でも、何年も我慢し続ける必要もないと思っています。
人生全体で考えれば、一つの会社はただの勤務先です。
特に海外にいると、
せっかくフィリピンまで来たんだから、この会社で成功しなきゃ。
と思ってしまうことがあります。
でも、フィリピンに住むことと、今の会社で働き続けることは別です。
会社を変えてもいい。
別の国へ行ってもいい。
日本へ帰ってもいい。
一度仕事を休んでもいい。
現地採用という働き方そのものをやめてもいい。
海外まで来たからこそ、私は「一度選んだ道を最後まで正解にしなければいけない」と考えなくてもいいと思うようになりました。
まとめ|フィリピン現地採用を辞めたいなら「辞める・耐える」の2択にしない
フィリピン現地採用を辞めたい。
そう思ったとき、選択肢は、
① 今すぐ辞める
② 我慢して働き続ける
の2つだけではありません。
私が一番現実的だと思うのは、
という第三の選択肢です。
英語を伸ばす。
Excelやデータ分析を勉強する。
業務改善の実績を一つ作る。
英文レジュメを更新する。
LinkedInを整える。
そして、ときどき求人を見る。
応募してみる。
面接を受けて、自分の市場価値を確認する。
そうしているうちに、今の会社に残る方がいいのか、次へ行くべきなのかが少しずつ見えてきます。
「辞めたい」と思ったこと自体を、キャリアを見直すきっかけにしてしまえばいい。
私自身も、フィリピンで現地採用として働きながら、「このままでいいのかな」と考えることがあります。
でも、今の会社が自分のキャリアの最終地点だとは思っていません。
今いる場所で取れるものは取る。
その間に、次へ行く準備をする。
そして「ここにいるより、次へ行った方がいい」と思える会社や仕事が見つかったときに動く。
海外現地採用のキャリアは、日本の新卒就活のように一本道ではありません。
だからこそ、「会社選びを間違えたかもしれない」と思っても、それで終わりではありません。
今の会社を選んだことより、ここから何を持って次へ行くか。
私はそちらの方がずっと大事だと思っています。

