コロナ禍で急増している、フランスの事実婚・パートナー制度『PACKS(パックス)』って何?

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  • PACKS(パックス)とは何なのか知りたい
  • フランスの結婚について考えたい
  • 日本の事実婚とパックスって何が違うの?

こんな内容をまとめています。

✔︎本記事の内容

PACKS(パックス)とは?

フランスにはパックス(PACS:連帯市民協約)という、日本にはない制度があります。1999年に民法改正にともなって認められた制度で、結婚ではないけれど、結婚と同様の権利をもらうことができる協約です。離婚するときに弁護士、裁判費用など、時間とお金がかかるフランスにおいては、重要な公的制度となっています。
パックスはパートナーであって、結婚とは異なるので、日本ではシングルマザーということになります。パックスでももちろん子供を持つことは可能で、戸籍謄本ではパートナーの子供として認知され、二人の子供として登録されます。
フランスは結婚をせずに子供をもうけるケースが多く、年々数は増加傾向にあります。ネット記事の情報によると
2018年には、婚姻件数234,735件に対し、PACS締結数は208,871組にまで上った。なお、PACSも法律婚における離婚と同様に解消されることがあるものの、2016年の解消率は、法律婚の離婚率55%に対し、PACSは解消率44%と、法律婚よりも低い。(コロナ禍で振り返るパートナーシップ制度「PACS」
とあり、フランスでのパートナー制度の人気だけでなく、解消率の現象にもつながっていることがわかります。

制度の特徴

結婚と何が違うのか、制度自体の特徴を見ていきます。在フランス大使館『PACS(連帯市民協約)ついて』から申し込みが可能です。

締結および解消の手続きについて

  • パックスと締結するには、必要書類を揃えて公証人に依頼、または本人たちが市役所にて手続きを行います。
  • 解消する際には、どちらかが申し立てるだけで解消ができるため、裁判で弁護士を立てたり慰謝料がかかったりといった煩雑な条件や手続きが必要ありません。

社会保障について

  • パートナーのどちらかが社会保険に加入していない場合には、一方の社会保険(医療、死亡等)による保証を受けることができます。
  • また、出産や子どもに関する家族手当(Allocations familiales)についても結婚と同様に受給ができます。

税制上の措置について

  • 所得税の共同申告が可能です。
  • また、民法上の法定相続人に含まれないため遺言書が必要だが、遺言によって相続人となった場合は相続税が免除されます。
  • 贈与税に関しても一定の控除があったりと税制上の措置で得することがあります。

財産分与について

  • PACS(パックス)の締結後に、相互で所得した不動産や車などの財産は共有の財産とみなされます。ただし、相続や贈与によって得た財産には適用されません。ここが結婚との違いとなります。
  • なお、PACS締結前の財産は、特別に定めない限りもとの所有者に帰属されます。
  • 相続については法律婚と異なり、パートナーへの法定相続、遺留分はなく、遺言書が必要となります

その他

  • パートナー間の扶養義務や救護義務、生活維持のための必要な負債への連帯責任を負います。
  • 住居について、賃貸契約をしていたパートナーが離別または死亡した際、残された者が継承できます。
  • 共同での養子縁組不可。(カップルの片方のみとの関係であれば可)
コロナ禍で振り返るパートナーシップ制度「PACS」

どうしてPACKSを選ぶのか?

フランスは、昔と現代はもちろん価値観が違いますが、日本ほど結婚を愛の形として重要視していないと考えられます。
そのため、若い時はPACKSでパートナーの状態で子どもを持つ人は、子どもが成人してから、パートナー同士が関係を解消せずに50代、60歳となっている場合には結婚をする人が多いそうです。つまり「死ぬまで一緒にいる」という覚悟を持ったタイミングで、最後のステップとして結婚を選ぶことになります。制度でもわかったように、パートナー間では配偶者が亡くなったときの相続権や財産分与の権利までは認められていないということも大きな理由となるように思います。

PACSの大幅な増加にはフランス人のさまざまな家族観との合致が考えられ、子どもの誕生や持ち家の取得などを契機として結婚に移行するPACSカップルもあるなど、従前家族の起点であった結婚がPACSを経るといった家族像の多様化が見られる。PACSを経た結婚とそうでない結婚の離婚率の違いなど、制度導入から長期間が経過して初めて顕在化する数値もあると思われるが、いずれにしてもPACSがフランス社会に定着していることに異論の余地はない。コロナ禍で振り返るパートナーシップ制度「PACS」

現代の日本の家族観とは異なるかもしれませんが、個人的に将来的にはフランスのパートナー制度を日本の事実婚制度にも導入してもらいたいと感じました。



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