子どもを出産する女性が不幸になるという悲劇。 「子育て」したくない私って惨めなの?

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昨晩、ひどく嫉妬の念に駆られた。朝目覚めて、昨晩の嫉妬の感情はほんのひとときの脳のバグだと思えないほどに、脳にはしこりとして残っていた。たいてい思い悩むときに、ああまた寿命がひとつ縮んだような気がすると思うのは、こうして悩んだ跡を感じるからである。

何を悩んでいたのかというと、子どもを産んだ同級生に対して嫉妬のような感情を抱いた。嫉妬というか、子どもを持つという選択を排除している自分には何か問題があるのだろうかと、ネジが一本抜けていて、「何か足りないのか」と思ったのだった。子どもを持つ人の充足感に対しての、漠然な不安があった。

子どもを作るか、そうでないか、という問題は家族にも友人にも言うことか拒まれる。いわんや、パートナーであればなおさら。大人になってからの悩みというのはその生きてきた時間もあいまって、悩みが安直ではない。過去も現在も自分の思う自分も他人の思う自分も仕事も家族のこともすべてが複合的に絡み合い、そもそもどこから話せばいいのかわからない。そんな状態なのである。だからこそ大人は思い悩み、子どもの悩みとは違うんだよ、と言うのかもしれない。

子どもを作ると起きる悲劇?

子供の有無と幸せについて

子どもを作った方が幸せになれそうな感じがする。それに、すべての人間たちから祝福されるので実際に自分が望んでいた、満ち足りる幸せになったような気分にもなるのだと思う。

けれど、子どもを持つと人生の満足度は下がるらしい。別に自分が子どもが欲しくないから、そんな悲劇を喜んで取り上げているわけではない。

「子どものいる女性のほうが、幸福度が低い」少子化が加速するシンプルな理由

この問は、これから子どもを持とうとする女性や、すでに子どもをもつ女性にとって、興味深いものです。そして、多くの人は「子どもを持つことは、女性を幸せにする」と信じているのではないでしょうか。

しかし、その答えは「No」です。

日本を含めた先進国のさまざまなデータに基づく学術的な研究結果は、「子どものいる女性の幸福度が子どものいない女性の幸福度よりも低くなる場合を多い」ことを示しています。(参照サイト

「子どものいる女性のほうが、幸福度が低い」少子化が加速するシンプルな理由 ワーママが幸せになれない3大要因
少子化の波はコロナ禍でさらに加速。2021年の出生数は80万人台を切るとの予測も出ています。そんな中、「子どもがいる女性のほうが幸福度が低い」という気になるデータを紹介してくれたのは、拓殖大学准教授の佐藤一磨さん。子どもを持つと幸福度が下がる。少子化の原因をこれほどシンプルに言い表すデータはないのではないでしょうか――...

子供を作るのは良くないとかそういうことを言われているわけではないけれど、研究結果としては事実そうらしい。「子どものいる女性の幸福度は低い」という直視しても問題はないはずな事実だけれど、子供を産むことを当然としている女性にとっては驚くべき問題なのじゃなかろうか。

育児休暇を取る女性たち

職場で育児休暇を取る女性がいる。一年取るようだ。もちろん祝福すべきことなのだろうけれど、それに伴って、私は周りから「彼氏と結婚しないのか?」「出産しても休んでいいからね」とライフイベントについて聞かれることが多くなった。

育児休暇を気兼ねなく取ってもいいと言われることは、会社の福利厚生として恵まれているしとてもいいことだ。だけれど、当然のように聞かれて、当然のように結婚したら子供を持つと思われていることに同時に罪悪感のような気持ちを持った。それは自分は子供を持ちたいと思っていないから。

だからこそ、子供を持ちたくないのなら、結婚のきっかけもつかめないでいる。

子供を持たない人生を考えた理由

これはずっと考えていたことで、言葉にできるようになったのは28歳くらいのころだった。子宮内膜症を患って、産婦人科に入院したり手術したり、通院したりする中で、自分の子宮について考えたり、生きることを意識するあいだに、「やっぱり自分は子供がほしくない」と認知した。漠然としていた気持ちが、はっきりとした決意となった。

私が子供を持ちたくない相当な覚悟をしなければ、「自分の人生はこんなはずじゃなかった」という気分にもなるのは、当たり前のことだ。それから、夫婦であれば誰といっしょに育てるのか、そのパートナー選びも大切になる。子どもをつくることの満足度の低下をカバーする相手も見つけないと幸せになれないとすれば、どこまで人類っていきづらい生き物なのかと思う。

実は、最近彼氏に子なしで生きていきたいことを伝えた。別に言わなくてもいいことかもしれないけれど、出産や妊娠についてのことは当然男性も考えるべきライフイベントで、産まないとしても女性ですべて処理できる問題ではない。結婚=出産・妊娠という構造ではないと思っているからこそ、言っておかないといけないと思ったのだった。

彼がなんと答えたのかは、自分だけのなかでそっと持っておきたいのでここでは話さないけれど、伝えて本当によかったと思えた。安心というか、理解してもらえた上で相手の気持ちも聞けたのはこれから共同生活をするためによかった。

誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方

誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』という本を最近読んだ。

ふと目に止まった。意識して考えていたからかもしれない。この本には、私の知らない子なし人生が描いてある。もちろん私の祖母が子供を産んだから、私の母親が子供を産んだから今の自分がいるので、周りの女性で子なし人生を垣間見ることはできなかった。

本のあらすじ

いま女性の6人に1人以上が生涯子どものいない人生を送ります。理由は不妊・病気・仕事・介護・そしてなんとなく。子どもが欲しかったのに、結果として授からなかった女性が大勢います。
決して少数派ではないのに、肩身の狭い思いをし、何気ない言葉に傷つき、自分の気持ちを吐き出す場所はもちろん、同じ境遇の女性の本音を聞く機会もありませんでした。
本書は、ご自身も病気で子どもを持つ人生をあきらめた著者が、13人の女性と2人の男性に体験談を聞き、60人以上にアンケートを取り、脳科学・心理学・社会学・看護学の女性研究者5人に、
「子どもがいないと幸せではないのか」「子どもがいない人は大人ではないのか」「子どもがいないと幸せではないのか」「子どもがいないと母性が芽生えないのか」という問いをぶつけ続けました。Amazon

誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方

印象に残った一説

子どもと幸せというのは、どうしても紐づけられる事項のようで、この本のなかでも幾たびもできていた。持っているから幸せ、持たないから幸せ、かと思えば、子供が何かを持っているから幸せ、持たないから今度は不幸せ、と子供がいてもいなくても生きていれば他人のものさしで何かを言われる

そんな子どもに関する他人からのハラスメントについての一節が気に入ったので引用する。

子どもがいてもマウンティングは無数にあります。母乳礼賛、植物由来の自然食礼賛、早期教育、お受験…興味がなかったりしたら、けちょんけちょんに言われます。いずれにせよ、一人っ子のママは最下層で、「二人目は?」と言われ続けます。いっそ、子どもがいる・いないのほうがあっさりしています。そこに足を踏み入れなくてよかったと思うことも一つの考えです。(P156

「いっそ、子どもがいる・いないのほうがあっさりしています。そこに足を踏み入れなくてよかったと思うことも一つの考えです。」というのが、子供を持つ・持たないという基本的な最初の選択に自分を立たせてくれる。

子どもが自立したあと、生きがいを失って「空の巣症候群」に陥る母親もいます。子どもがいない人は逆に言うと有利です。子どもが巣立ったあとに、これから何をしようかと考える人より、早くからとり組んでいれば差がつけられます。自分がずっと追求していける生きがいを見つけること。そのことは超長生き時代において、子どもの有無や男女の関係なく、すべての人に必要な老いの備えです。

こう言うと、子どもがいない=生きがいが減るのだから、その穴を埋めるために必死に生きがいを探しなさい、と言われているような気にもなる。

そうではないと私は思う。別に、生きがいが子供になることなんてそんなことは親であっても許されない。自分の生きがいというものがなんなのか、子供の有無関係なく考えていきたい。

 

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