買い物に行く日は決まってひどい格好をしている。わたくしごとですが、ひどい格好をしていると思うから洋服を買いに出かけるのである。ひどい格好というのはわたしの場合、

汚いスニーカー(履き慣れて歩きやすいのですいすいと店に出かける気になる)、ジーンズ(着心地がよくいつも履いてしまう)、シャツ(とろみシャツが流行りかと購入したのだけど似合わない、透けていて恥ずかしい、だかしかし購入したので無理しても着る)、靴下(季節外れ、ただし部屋では冷え性なので履いておりそのまま出てきた)、リュック(冴えないデザイン、型崩れも甚だしいが、ビニール袋有料化の時代なので見た目は気にしていない)

とまあ、言い訳共々こんな感じである。しかし恥ずかしい気持ちになるのは、遅い。近所だと感じないが、店に入り鏡を見るとみすぼらしい出で立ちに居ても立ってもいられなくなる。

こんな服装だからこそ、小綺麗なものでも買い揃えるか、という気持ちにもなってくる。それなのに、店先にいるのは戦闘力の高い服装をした店員であり、客相手にするのでみすぼらしい服装をしているわけはなく、相応以上とも言える化粧とファッションに身を包む。そんな女性がいると感じた瞬間に、ひどい格好をしているわたしはたじろぎ、ああわたしはどうしてこんな場所に… ヒイィィィ死にたいという望みを持ち始める。

死ぬくらいなら逃げたほうがいいので立ち去る。立ち去るはいいものの、さてわたしはどうしてこんなに時間と労力をかけ、自分を蔑むことになってしまったのか、なにかを買わねばこのときが惜しい。

そんな気持ちで、またおしゃれからほど遠くなるような(もちろん着こなし次第ということはわかっちょる…)、だれも居ないからこそゆっくりと選べるユニクロ、無印、イオン、というファストファッションに身を包み、色褪せ、毛玉だらけの服を着るなり、焼くなり、捨てるなりするときにはまたどうしてこんなものを俺は買ったんだ…と自己嫌悪に陥るのである。

そんな、戦闘力の高い女から逃げながら購入した服を着て、また買い物に出たくなるのである。この負のループを長年脱することができない。通販ですら味方してくれない。とにかく、センス、スタイルのよさ、さらに自信満々で店内を練り歩き己の審美眼を信じてやまぬ購買意欲を持ちえなければ、一生オシャレ番長にはなれぬ。

なにも買えなかったまま、胸焼けのようにしてこの気持ちを綴っている。