映画イエスタデイ

あの女性はもしやエリナー・リグビー? 映画『イエスタデイ』

映画『イエスタデイ』を観た。(以下、ネタバレありです)

主人公はイギリス海辺町で暮らす売れないミュージシャン・シンガーソングライターのジャック。もともとは教師をやりながら、夢である歌手活動を家族の反対もありながら続けていた。彼には、幼なじみのエリーというマネージャーの女の子に支えられながら活動するも鳴かず飛ばず。その後、彼は事故に遭い、昏睡状態から目覚めてみるとこの世には「ザ・ビートルズ」がいないことになっていた……。

感想おぼえ書き!

個人的には全体的な作品への感想はまあまあだった。作りが雑という印象で、楽曲の切り返しや唐突な登場事物の登場の仕方や、ストーリー展開は分かりやすいが単純な作品だけに登場人物が多すぎたのかもしれない。また、これはコメディであって、そもそもビートルズがいない世界で売れないインド系イギリス人が成功という半ばぶっ飛んだ設定上、そこまで細かに丁寧に仕上げる必要はないとしても、ビートルズの楽曲だけで売れるという設定がすこし難しいように感じた。それほど、ビートルズは楽曲だけのよさではなくあの4人が作り上げる、一人一人違う個性と演奏のグルーブ感、そして衣装、アルバムジャケットに至るまで完璧に作り上げられたブランドイメージ、その全てがファンを魅了していたことに気づく。

この作品は、映画としてはそこまで完成度が高いとは思えないものの、ビートルズ好きにとってはビートルズの存在感の大きさを改めて感じる作品だった。この世に、彼ら4人が存在してよかったと作中でも感謝してしまうような楽曲への親しみが込み上げる瞬間が何度もあった。もしかするとこの映画の成功はここなのであろうか。それであれば大成功な作品であるし、ビートルズファンも楽しめると思う。

終盤の演出として、現代に生きているジョンレノンが登場する。海辺の白い壁の小さな一軒家で使い古した筆と絵具で絵を描き、丸太に腰掛けさざなみの音を聞いて過ごす、ジージャンとジーンズ姿の老人は78歳。よくもここまで似た人を見つけてきたと思うほど、そっくりなのだ。主人公をはじめ、ツアー内容やエドシーラン本人が登場するなど、コメディなのですこし滑稽だなとも思えるような映画への印象は、この演出のために準備されていたのだろうかと思うほど、感情は一気に切り替わり感動が押し寄せる。

「もしジョンが生きていたら」と想像することがなかっただろうか。わたしは何度もあった。運命がどこか違えば、彼がビートルズでなかったら、もしもポールと出会っていなかったら、彼はまだ生きていただろうかと考えたことが何度もあった。だからこのシーンには、涙が抑えきれなかった。「もしも、誰もビートルズを知らない世界だったとしたら」ジョンは生きていたのかもしれないのだ。

The Beatles - Eleanor Rigby (From "Yellow Submarine")

(町山智浩)墓碑銘なんですよ。それを見てポール・マッカトニーは『Eleanor Rigby』っていう歌を作ったんですね。そのお墓に行った時に感動をしたのは、その教会でポール・マッカトニーとジョン・レノンははじめて会ったそうなんですよ。で、この天才2人が出会ったからビートルズっていうのが生まれたんで、本当に奇跡のような出会いがあったという風にガイドさんに言われて。僕は「そうなんだ!」って本当に感動したんですよ。だからそういうのをやっているぐらい、もうビートルズのことばかりを考えてきた50何年なんですけども。で、この今回ご紹介する『イエスタデイ』という映画はもう非常に見ている間、複雑になる映画なんですよ。そういう人にとっては。これは、ビートルズがなかった世界の話なんですよ。

作中にEleanor Rigbyの曲は流れはしないが、タイトルと実際に墓を訪れるシーンがある。これは、エリナー・リグビーという身寄りのない老女と、誰からも相手にされないマッケンジー神父という架空の人物を悲劇的に書いた物語調になっているのだけれど、もしかすると作品の中で登場する、主人公ジャック以外にビートルズの存在を知っているおばさんとおじさんの二人は彼らがモデルなのかもしれない。Eleanor Rigbyはイエローサブマリンの裏面楽曲なので、イエローサブマリンの黄色い船のフィギュアを手にしていたのも怪しい。

『Hey Jude』っていうのはジュリアっていうお母さんの名前をジョン・レノンは自分の息子につけたんですね。ジュリアンっていう風に。ところが、ジョン・レノンはその頃、オノ・ヨーコさんとくっついちゃって。ジュリアンのお母さんを捨てちゃったんですよ。ポール・マッカトニーが励ますために作った歌が『Hey Jude』なんですね。これ、だからもともとの歌詞は「Hey Jules」だったんですよ。ジュリアンのことを言っていたんですよ。でも語呂が合わないので「Jude」にしたんですね。だからジャックは「なんで『Hey Jude』なの?」って聞かれるんだけども、こういう個人的な関係性を全然知らないから、わからないんですよ。

エドシーランに『Hey Jude』のタイトルの由来を聞かれて、しどろもどろになりながら「友人のかわいそうな子どものことを歌った曲」だと答えるシーンがあるが、実はこれはポールがジョンの前妻の子どものためにつくった曲だそう。主人公のジャックは30代前半なので、ビートルズの詳しい人間関係までは知らないのも当然な世代。私自身もファンではありながら、複雑な関係をもちろん全ては知らない。奇跡のようなバンド、ビートルズへの敬意がつまった作品であったし、観た後には本家ザ・ビートルズを聴かずにはいられなくなる。

【追記】

エドシーランが本人役で登場するが、彼が歌うThe BeatlesのIn My Lifeが良かったのでこちらも是非。

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1日のおわりに映画を観る生活は最高だよ

<参照>

町山智浩 映画『イエスタデイ』を語る

イエスタデイ (2019)

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