もはや日本の風景に馴染みつつある女性専用車両。男女格差や女性の社会進出などが話題になっている今、もう一度考え直してみませんか?※これは女性専用車両を批判するものではありません。
目次
女性専用車両とは
“鉄道事業者において、輸送サービスの一環として導入された女性等に配慮した鉄道車両。”
痴漢被害にあわないように女性を守るべく各鉄道会社が始めたもので、利用者の声は“国土交通省が利用されたお客さま向けに行なったアンケートを実施した結果、女性が9割近く、男性も6割前後が女性専用車両に賛成”
利用者の声も前向きなものが多い。”被害"から"女性"を"守る"のが目的とはよく言うけれど…
3つの疑問
①被害者>加害者?
とにかく被害者を守るために!という部分が協調されがち。
被害者を守ることと同等に加害者への制裁にも向き合うべき。
被害者になり得る人たちを隔離することだけですべては解決しない。
②被害者は"女性"だけ?
“痴漢の発生が多い池袋駅や渋谷駅前等の交番は、女性警察官を配置し、「女性の安全相談所」として、女性からの相談及び被害届の受理に当たっています。”
出典:痴漢被害相談 警視庁
被害に遭うのは女性が前提となっている。近年は性的指向の多様性が顕在化しています。
そういうことをカミングアウトできる世の中になりつつあるということは良いことです。つまり、痴漢被害者が女性とは限らないし、女性も加害者になり得る。
③守る、とは?
鉄道会社が守りたいものは、女性の乗客だけでしょうか。痴漢犯罪と隣り合わせにある”冤罪"。冤罪からも乗客を守らなくてはいけません。車両内に防犯カメラを設置している鉄道会社もありますが、普及率は低い。“東急全車両で車両内防犯カメラの設置を推進します”(出典:東急全車両で車両内防犯カメラの設置を推進します |東急線沿線ニュース|東急電鉄)
完全な設置にはまだ道のりは遠い
ここまでくると、女性専用車両について再考の余地はあるかとは思いますが、なぜ”被害"から"女性"を"守る"ことが最善とされているのだろう?
①お金がかからない。
防犯カメラを新たに設置するなどとは異なり、運行中の一部車両を使うのでコストをかけずに"痴漢対策"ができる。これが本質的な解決なのかは疑義を抱く方もいらっしゃるかと思います。
②鉄道会社の広告収入がアップする。
老若男女がのる通常車両より、乗客が絞られるので広告の訴求力が違うのは明らか。首都圏を走る西武全線の中吊り広告(7日間)の料金で比較してみると…通常車両は200万円。B3サイズが3780枚印刷されます。一方、女性専用車は…池袋線46両と新宿線11両(いずれも1編成1両)で150万円。B3サイズが1800枚印刷されます。印刷される広告の枚数は女性専用車は通常車両の半分以下ですが、値段は25パーセント減にとどまっています。
(参考資料:https://www.oricom.co.jp/special/ryokin/index.html)
恩恵を最も受けているのは「鉄道会社」?
女性専用車両を導入することで痴漢犯罪抑止に取り組んでるアピールを世間にもできるし、何より広告で儲かっている。電車を利用するみなさま!快適な車両を作るには自助努力も必要…かも結局、自分の身は自分で守るしかないのか…とはいえ、女性専用車両が必要な方もいます。
痴漢被害に遭われた方にとって、男性と同じ車両に乗ることが苦痛であることには変わりない。電車内での性的な迷惑行為をなくすためには、女性専用車両とあわせて他の対策も絶対に必要。
守られるべきはすべての乗客!誰もが被害者にならず、そして加害者だとでっちあげられることがなくなりますように。