神々と男たち

どう生きるか死ぬか【映画】神々と男たち

96年にアルジェリアで実際に起きた、7人のフランス修道士虐殺をテーマにした映画「神々と男たち」。

2010年カンヌ映画祭でグランプリを受賞し、フランスでは一般公開後3ヶ月も経たないうちに289万人を動員した大ヒット作。

カンヌ受賞作品ということだったが、あまり日本では知られていないが2011年に公開されている。フランスのカンヌだからだろうか、アメリカのアカデミー賞は日本でも作品をよく見かける。もう少し注目したいと思った。

作品に登場するのは、全部で9人の修道士たち。

事実なので、ネタバレではないとご勘弁いただきたいのだけど、殺された7人を含め修道士たちは全員、アルジェリアの修道院で医療活動を行なっていた。

アルジェリアでは、キリスト教信者たちは宣教運動は取り締まれるが、医療活動としての貢献はよしとされており、貧しいアルジェリアの人たちは、キリスト教に対して嫌悪感はあるものの、無料で治療を受けられるとあって教会を利用していた。

作中でも修道士と町民のふれあいが描かれており、アルジェリアという社会背景はキリスト教嫌だけでないということがわかる。

愛について神父が市民に説く姿、あたたかい表情とセリフが好きなシーンだった。

この作品は、作中の修道士たちの賛美歌もキリスト教を知る上で魅力的なシーンであるけれど、舞台であるアルジェリアの背後にある悲惨である社会状況を理解できるのもこの作品のいいところ。

ストーリーから読み取れるのが、植民地支配の後遺症の問題であろう。

アルジェリアは1830年から1962年までフランスの植民地とされており、その結果アルジェリアには今でも「言語」と「宗教」の問題が残されている。

アルジェリアの母国語はイスラム語であるが、文化洗浄としてフランス語を強要され、宗教はイスラム教を激しく規制され、その結果彼らはアイデンティティを喪失した。

なにかを喪失した人は、過去を冷たく辛い経験として捉えるがちである。

その悲しみと憎しみの結果として生まれたのが、1992年に結成された反体制のGIA(武装イスラーム集団)の存在であり、はじめは最初は軍や国家指導者、文化人ジャーナリストをテロの対象としていたが、次第に彼らに知恵を与えているという名目で外国人、とくにフランス人を攻撃するようになった。

このフランス人虐殺事件もその動きのひとつ。その当時には、毎日200人から300人のキリスト教信者たち市民含めて殺されており、国の公兵の関与も疑われているなど、まだまだ謎が残されたままらしい。

アルジェリアでは公開禁止されており、撮影もモロッコで行われたということもあり、社会を映し出している作品とは言え隠れている部分も多いことがわかる。

信仰心を理解していない私には、宗教が近くにある人生は無縁ではあったけれど、修道士たちの慎ましい生活と人間との関わり方などを通して、すこしだけわかったように感じた。

また、修道士虐殺の背後に暗示された「最後の晩餐」とイエスの十字架のイメージ、人間の罪と赦しの問題など、どう生きてどう死ぬのかという現状とともに今ある問題について問われるような内容だった。

海から始まる!?』というサイトの、『映画「神々と男たち」をもっと深く知るための6項目!』が登場人物である修道士についてかなり詳しく記載されていたので要チェック

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