日本語とジェンダー

1886年の前島密による「漢字 御廃止之議」について。

社会方言とジェンダーについて、言語には生物的な側面ではなく、歴史的・社会的・文化的側面による性の差異、男女差が認められる。この社会方言の差異はジェンダー差異と呼ばれる。社会方言のジェンダー は、人間が作り上げたものを維持し、常識化するために様々な言語行為が行われている。

天皇、上皇の御所に仕えた女房たちの使っていた「女房詞」を語源とするものに、おなか、おかず、おでん、ひもじいなどがある。「女房詞」とは、室町時代初期ごろから宮中に仕えていた女房たちが使っていた一種の隠語のようなものです。主に食べ物や体に関することに用いたそうですが、頭に「お」を付けて表現するもの、語尾に「もじ」を付けて表現するものなどいくつかの種類があります。これは、その時代のみ用いられていたものではなく、先ほどの「おでん」以外にも現在でも一般的に使われ、定着している語が案外多くあります。

「男女の言葉遣いに違いがなくなってきていると言われますが、このことについて、あなたのお考えに最も近いものを一つ選んでください」(文化庁1995;世論調査の質問文)中村桃子(2003)

という表現は、男女の言葉遣いは違っていたことを前提としている。また、女によって容姿は重要だというジェンダー・イデオロギーを常識化するような言語行為が繰り返しされることで常識化がなされている。

ーロシアには地方によっての方言のようなものはあるんですか?

米原:ほとんど差はないですね。少なくとも、日本ほどの差はない。日本が封建的地方分割を脱するのは、明治維新以降ですから、まだ統一国家になって百四十年しか経っていない。ところが、ロシアは十六世紀に国家統一を成し遂げている。だから、方言の差がかなり解消されている。もちろん、ちょっとしたなまりみたいなものがあります。

いわゆる東スラブ語族にはロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語があるけれど、十三世紀に蒙古軍が押し寄せてきて一部地域がキプチャク汗国の支配下に入るまでは同一民族、同一言語でした。(引用:米原万里『言葉を育てる』P76)

<参考>

日本における漢字廃止論とその社会背景(秋田大学教育文化学部 チンキン 陳鑫)

日本語教育能力検定試験完全攻略ガイドP 340-341

米原万里『言葉を育てる』

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