多汗症手術ブログ

わたしがETS手術(手のひら多汗症手術)を受けるまで

ペンを握った手から汗が垂れて、テスト用紙が濡れることなんて日常茶飯事だった。
日常生活に支障をきたす量の汗が手のひらと足裏から出る。そうわたしは多汗症だ。

「わたしもよく汗をかくよ」と言う人がいる。 
たしかに症状が軽度の人は手の平が軽く湿る程度だけど、重度な人になると手のひらから汗 が滴り落ち、人と手をつなぐはおろか、ものは持てないし、手相占いで手のひらを見せるこ となんてできない。(なんせ、手相のシワ部分は汗でキラキラしちゃってる。これでどんな未来がわかるっていうんだ)

この記事では、わたしが手のひら多汗症になってから、そして最終手段とも言える治療ETS 手術を受けるまでをまとめました。

※前提として、これはETS手術を勧める記事ではありません。

多汗症との出会い

思い起こせば小学校6年生のときに発症した。

その当時は気づかなかったけれど、下級生と手を繋いで行く遠足があり、公園に向かう途中 で汗が出て嫌な顔をされた。友人には、手をつなぐと「汗がうつる…!」と笑われてしまったこともあった。この頃は「本当だよね〜!」と友人とも笑い合っていたのだけど、中学や高校の多感な時期になると、意識すればするほど手汗はどんどんひどくなってゆく。

小中高生のころ

いわば、文武両汗。勉強でもスポーツでも"しょうがい"が出てくる。(うすうす気づく、手汗が出るとできないことが多すぎる。)

ノートやテスト用紙は汗がついてシワシワになって、濡れて紙が破けるから文字を書けないときもあった。図書館には本を濡らすからと行けなかったし、本屋の立ち読みもできなかった。
裁縫もできない。糸が濡れて針は錆びて、初歩的な糸通しも本当に難しかった。
料理も食べるものに汗がつくことがなんだか申し訳なくてできなかった。 体育祭で座るときに砂に手をつくのもいやだし、もちろん男子女子混合のフォークダンスは 恥ずかしくてできない。
グリップを握るスポーツではグリップはびしょびしょだ。持ち手のゴムや木材が腐ってしま うほど汗は染み込み、足裏にも汗をかくので靴は臭いし、足裏はいつも汗で湿ってふにゃふにゃで皮がむけたり、水虫のようにかゆくなったりした。

だから、勉強もスポーツも疎かになった。そしてどんどん自分に自信がなくなっていった

大学生のころ

勉強は疎かだったものの、大学にはなんとか入れた。
大学では人との交流を避けた。サークルには入らなかったし、友達も1人2人しかいなかった。手汗のこともあるけれど、いろいろな不幸が束になって押し寄せる時期で4年のうち2 年くらいは引きこもりだったように思う。

中高の時よりは人前で手汗がバレるようなことはなくなったが、辛かったのがアルバイトを好きに選べないことだった。やってみようと試したレジ打ちのバイトでは、何よりおつりを渡すのが難しい。レシートが濡れないように、お客さんの手に触れないように意識した。トレーに置くことを意識したが、たまに手を広げて待つ人には投げ銭のように渡したりし た。たまにいやな顔をされたこともあった。夏の外の暑さで、汗をかくとなれば汗かきで片付けることはできるのだけど、冬場でも関係
なく、冷たい手のひらにこれまた冷たい汗が流れる。思い返せば、温かい手のひらであった
ことはなかった。濡れているか、汗のひいた手は氷のように冷たかった。


大学では家から出て寮で暮らしていて、そのおかげだろうか。だんだんと自立できてきて、大学3年になるとしがらみを自分で“いなす力”がついてきた。不幸の束は解けて、背中から肩から重荷を下ろすことができるようになっていた。

就職活動

大学3年の時に始まったのが就職活動。ここでも手汗は大きな壁となる。 就職活動の時期、先の未来が見えないと、どうしても憂鬱になってしまう。自分のせいでない、原因もよくわ
からない理不尽な悩みならなおさらだ。
手汗は汗でしょ」と片付けられがちだ。手汗のせいで仕事にならないことも多いのに。就職活動のときにはもちろん仕事選びがはじまる。職業選びの前提として「手汗があって もできるだろうか」いうところからスタートした。ほかの人にはない条件だと思う。文系だったので、周りの流れを見て、営業職を軸にして仕事を探した。でも、ふと考えると 営業のイメージに、取引先との「握手」があった。「できないな」とも思った。けれども自分の学部や学歴を考えると他の業種も難しかった。結果として、わたしは営業職に仕事が決まる。そして、もうこれ以上悩みたくないと踏ん切りをつけ、21歳のときに手術を受けることになる。

私は実体験として生活のあらゆる場面から汗の出る苦しみがよくわかります。後述しますが苦しみから逃れるためにあまり情報を調べることなくETS手術を受け、現在は代償性発汗と向き合う暮らしをしています。今後同じ経験をされる方の参考に記録を残していますので、何かの参考になればうれしいです。

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