武田砂鉄×学術会議任命拒否の上代文学会『抗議声明』

武田砂鉄×学術会議任命拒否の上代文学会『抗議声明』

TBSラジオ『アシタノカレッジ』金曜オープニング・トーク(2020年10月30日)で武田砂鉄さんが学術会議任命拒否の『抗議声明』について話されていました。

最近、武田さんは自分のレギュラー以外でTBSラジオにかなり出演されています。植本一子さんの『フェルメール』のトークショーにお邪魔した際に対談されていたのですが、本当に鋭い視点とたくみな言葉使いであれ以来ファンになりました。

▼参加したトークショー

『フェルメール』(ナナロク社 ブルーシープ)刊行記念トーク&サイン会 植本一子×武田砂鉄 新しい旅のはなし

最近見た砂鉄さんの出演回

武田砂鉄さんは「書けるだけでなく、話せるな」ということが業界中にバレてしまったのでしょう。最近次々にラジオパーソナリティをされていて、TBSラジオ『ACTION』金曜日パーソナリティでしたがこちらは最終回を迎え、現在は『アシタノカレッジ』で活躍されてます。

それにしても、先日の小田嶋隆さんの『災間の唄』の出版トークショーにも登壇されてましたし、芸人バービーさんとのラジオ『週末ノオト』(11月7日 13:00-14:55)にもご出演されてましたし、本当にお忙しいですね。

最近見た砂鉄さんの出演回

『災間の唄』の出版トークショー(11月1日18:00-20:00)

トークショーの一部がYoutube配信されていました。

ずっと聴いていましたが本当におもしろかった。特に、砂鉄さんと小田嶋さんの

スーツでピシッとしている政治家の出ている鼻毛をちゃかすのがコラムだったのに、いまは向こうが裸で寝てるもんだから「ちょっとパンツ履いてくださいよ!」と真っ向な説教しかできないことがコラムニストの不幸

という喩えに笑いました。

バービーさんとのラジオ『週末ノオト』(11月7日 13:00-14:55)

親子対談となっていますね(笑)

書ける状態をいかに維持しているのだろう

毎回聞くたびに感じるのが、出演のたびにゲストや対談者の作品を読んで感想や質問をするというのはものすごい労力だということ。

それでいて私のようなわがままな聞き手は「安心していつも聞いていられる」「この人はいつでもおもしろい」という固定したイメージを当たり前のように持っている。だからこそ、第一線で常に活躍されている方というのは、常に同じクオリティか、それ以上のものを求められるんだから、本当に尊敬します。

こんなことを考えていて、拡散されていたツイートを思い出しました。

小説の書きかた、突き詰めて考えると「小説を書ける状態をいかに作り維持できるか?」になるので、作家がぐだぐだ話す内容よりアスリートの調整方法のほうが参考になるという説を3年前くらいから友だちに提唱していて、いちばん参考にすべき作家はイチローという結論を得た

ツイートはイチローですけど、私が連想したのは村上春樹さんや山中伸弥さんのお二方。長距離ランナーである小説家と研究家というのもいかに状態を維持できるかというのを大切にされているように思います。

上代文学会『抗議声明』

さて、話は脱線に脱線を重ねましたが、『アシタノカレッジ』金曜オープニングトークでの抗議声明に関しての引用です。

以下、ラジオの文字起こし(一部)と『抗議声明』の後半(一部)です。

ラジオの文字起こし(一部)

武田砂鉄さん:「今週から臨時国会が始まりまして、各党の代表質問というのが続きまして、引き続き日本学術会議の件が議論されてますけれども、ドンドン、なかなか言い訳がキビしくなってきている状況で、この間、様々な学会が声明を出しているんですけれども、学会の声明文がいくつか非常にとても鋭いということで話題になっておりまして。

そのうちの一つが、上代文学会というところの声明文、“上代”ってのは“上”に時代の“代”と書く、上代文学会なんですが、この学会は『万葉集』とか『古事記』とか『日本書紀』などの上代日本文学を対象とする研究の発展に寄与することを目的として、1952年に創立された公的学会というところなんですが、この学会の抗議声明っていうのがなかなかよろしくて、後半だけ読みますと」

『抗議声明』の後半(一部)

『言語表現を取り扱うわが学会としては、任命拒否の理由を菅総理がまともに説明しようとせず、無効で無内容な言い逃れを重ねていることも看過できません。総理の態度は事実上の回答拒否であり、コミュニケーションの一方的遮断です。あたかも何事かを答えたかのように見せかけている分だけ、ただの黙殺より悪質だとも言わなくてはなりません。

前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります。日本語には豊かなコミュニケーションを担う力が十分備わっているのに、見せかけの形式に空疎な内容を盛り込んだ言説が今後も横行するなら、日本語そのものの力が低下してしまいます。日本語の無力化・形骸化を深く憂慮します。頼むから日本語をこれ以上痛めつけないでいただきたい。

引用元:上代文学会『抗議声明』

こちらでも小田嶋隆さんの話を持ってきますが、新刊の『日本語を、取り戻す。』と通ずる表現であると感じました。

私たちが暮らす世界では、なぜ〝ことば〟がここまで空疎なものになってしまったのか!?

という問いかけ通りに、日本語ですら機能不全している日本というものを感じます。内田樹『日本辺境論』で日本人の思考や文化が辺境的な背景となるのは「日本語」ゆえだと具体例を挙げて語られていたことも彷彿とさせられました。

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