[映画]エリザベス

1998年のイギリス映画・アメリカ合作の歴史映画『エリザベス』を観た。

16世紀のイングランド。ヘンリー8世がカトリックを捨て、新教である国教会を打ち立てたことで国内外に新旧の宗教抗争がくすぶり、陰謀に満ちている時代。エリザベス1世は、王室の血統(ヘンリー8世とアンブーリンの娘)から生まれ、16歳のときに異母姉のメアリーに幽閉されるが、その彼女に死後23歳の若さで女王として即位する。男性支配のなかで、知性と活力を持った彼女の時代がはじまる……。

エリザベス1世の前半生の人生を描いた本作品の続編が、2007年に同じ監督・主演で続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』も公開されたということで、続きも観てみようと思いました。

エリザベスの即位

エリザベスの父であるヘンリー8世は、男児が生まれずに離婚されていた兄の妻キャサリンを離婚後不憫に思ったのか妻に迎える。近親相姦だったのか呪いだったのか当初は仲の良い夫婦だったらしいが、世継ぎとなる男の子がなかなか生まれず、最後に生まれたのがエリザベス女王の姉であるメアリーでした。その後、不埒なヘンリー8世は妻キャサリンに仕えていた、アンブーリンに手をだす。そこで生まれたのがエリザベス1世。

そもそもおもしろいというと不謹慎だけれども、ヘンリー8世は不倫がしたい、自由恋愛がしたいということで、結婚にしきたりのあるカトリックを捨て、新教である国教会を打ち立てた。その結果、イギリスだけでなく国内外で新旧の宗教抗争が巻き起こっていた。

父ヘンリー8世の遺志をくみ彼女はプロテスタントであったために、カトリックの異母姉メアリー女王にロンドン塔に幽閉されてしまうが、姉の病死後を25歳でイングランド女王に即位する。姉は腹違いの妹を王にすることが本当にいやだったようだった。

エリザベスの恋愛

結婚について

エリザベスが国家と結婚を誓ったヴァージニアクイーンということが知っていたが、恋愛関係にあった男がいたことは知らなかった。エリザベスは、ロバート・ダドリーという恋愛関係にあったがのちに彼は既婚者だと知る。(ここでも父と同じような人間に恋をする。どうも不倫と父親の関係というのはどの時代にもあるようだ。どうしてなのか、切ってもきれないように思う)重臣であるウィリアム・セシルは、アンジュー公(後のフランス王・アンリ3世)やスペイン王との結婚で、国の難局をのりきることを進言する。しかし、エリザベスはロバート卿に恋をしていたこともあるし、政略結婚に乗り切ることはなかった。

イギリスを取り巻く状況

縁戚関係にもある隣国スコットランドとの戦争にも敗れてしまい、新国教にすると宣言するなど、イギリスを取り巻く状況はより一層緊迫し、エリザベスの暗殺未遂事件まで起る。陰険で宗教的狂言者や集団で溢れかえる王室。クライマックスは、エリザベスと潰しにかかるカトリックの国内貴族ノーフォーク卿一派を、エリザベスが一気に捕縛、処刑してひとまずは終わる。

感想

先述したように、生まれてすぐさま母が処刑され、姉からは投獄され、宗教政策も大変だし、恋もうまくいかないし、ラストでは長い美しいブロンドヘアを切り落とすはでもう大変な人生。辛酸舐めて強くなりました、みたいなことで片付けていいものかと思うほど大変な人生だね。映像はとても美しくて王位へ昇格し、統治していくにつれて若い女性がまるで聖母マリアのように神聖な像になるラストシーンは圧巻でした。ケイトブランシェットが演じたのだけれど、本当に美しかった。

【ほか】母についてまとめ

エリザベスの母、アンブーリン

"美女"として、「ブーリン家の姉妹」でナタリー・ポートマンが演じて話題になったアン・ブーリンの娘がイギリス全盛期を築いたエリザベス1世。彼女は、テューダー朝ヘンリー8世の第二王妃であるが、前王妃を退けて自らの魅力で国王の心を捉えたのであるが、最後には皮肉なことに、結婚からわずか3年で夫から無実の罪を着せられ処刑されてしまう。悲劇のヒロインともされる彼女の母についてまとめる。

ヘンリー8世との結婚

ロンドン生まれのアンはロンドン郊外でフランス大使も務めたトーマス・ブーリンの次女として生まれた。幼少の頃から聡明で、楽器を演奏したり外国語も学んでいたという。姉と共にフランスに渡りフランス王妃に仕え、ヨーロッパ風のマナーやファッションセンスを身につけて帰国した時は十五歳だった。やがて、アンはイングランドのキャサリン王妃に仕えるが、彼女の艶やかな黒髪、魅力的な瞳、洗練された雰囲気に加え、男を虜にして止まない不思議な魅力がたちまちヘンリー8世の心を捉えた。しかし、姉のメアリーが彼の愛人になっていたという理由もあり、すぐにはヘンリーの思いを受け取らなかったのであるが、この焦らしが結果的にヘンリーの心に火を着けた。その後、アンを王妃にすると約束し、その後恋に落ちる。
しかし、キャサリンの親戚にもあたるローマ教皇は離婚に同意しなかった。そこで、ヘンリーはアンが妊娠したこともあり、遂にローマ教会から離脱し、キャサリンとの離婚を強行する。これが新国教会の宗教改革であり、そこまでしてアンを王族に迎え入れた。こうして、6年越しの愛を実らせたアンだったが、王妃の座は決して平穏なものではなかった。

不倫の果て

ヘンリー8世がアンを王妃に迎えるための強硬手段に出たのは、愛していたからということもあるが、男児が欲しかったという理由もあった。ヘンリー8世は前妻のキャサリンとの間にメアリー王女しか子がおらず、後継を熱望していた。しかし、アンが産んだのは女児エリザベス。落胆したヘンリーの心は、次第に他の女性へと移って行く。
その後、アンは離婚に懲りていたヘンリー8世と王室が仕組んだ姦通罪で逮捕される。裁判は形式だけのもので、彼女は29歳の若さで処刑台で殺された。最後には国王をたぶらかした不埒な女というレッテルだけが残った。ヘンリー8世が愛人ジェーン・シーモアと結婚したのは、それからわずか10日後だったそう。

古代、女性には自由と権力がなかった。それらを手に入れるためには男性の寵愛を得るしかなかったということで、近親相姦をもいとわずに子供を産み、歴史が続いてきたのかと思うと、歴史に女というのは絶対に必要であり、それを視点に物事を見ることができる女王という存在は改めておもしろい。

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